MAKI KURIA
セーフティマネージャー栗田 真希
医療現場の安全管理をヒントに、
組織を損失から守る仕事。
平成18年入社の栗田真希さんの肩書は「セーフティマネージャー(安全管理者)」。リサイクル業界では珍しい名称ですが、栗田さんの前職である病院事務では医療の質を確保するために当たり前のように存在していました。
医療でのセーフティマネージャーの仕事はリスク情報の収集・分析・管理にはじまり、事故発生時には状況確認と収拾予測を行ったり、職員への安全教育を行います。
“指差呼称”や“標語”の安全確認から安全を推進へ
栗田さんがセーフティマネージャーとして取り組む以前は、“気をぬくな 一度の妥協が命取り”、“ほう・れん・そうで築こう ゼロ災害”など、安全確認を啓蒙する標語や、車両を重機などのチェックシートが主でした。安全を推進するには人のメンタルな部分に着目することも重要です。
「事故を繰り返したり、事故につながる危険性がある行動をとる職員への指導、安全への啓蒙活動も含まれます。また、事故を起こしてしまった当事者への精神的サポートも私の仕事です」と栗田さんは話します。
スタッフみんなが安全で楽しく仕事ができるよう、 日々の些細なことにも気配りするよう努めています。
女性ならでは明るさとしなやかさで、
“やすらぎ”のある職場に。
鉄スクラップは製鉄会社など国内有数の大手企業との取引先が多い。構内への搬入搬出においても、各社ごとに規則が詳細に設けられており、それに従う必要があります。時には手順変更することもありますが、その申し送りした内容が現場で食い違うこともあります。そんなケースも栗田さんが笑顔で説明すると、やんわりと軌道修正が行えます。また逆に報告書など提出遅れたスタッフへは“ずけずけ”と物が言えたりします。「栗田さんを中心に現場が回っている」と平本社長は目を細めています。
安全も仕事の質も
“チームワーク”と“情熱”。
鉄スクラップは重量が重いので、少しの気の緩みから大事故につながりかねません。ちょっとしたことやり過ごしたり、焦って慎重さを欠くと大変なことになります。
「現場の作業指導はひろさんが行ってくれています。私はスタッフ間の潤滑油的な役割で、みなさんコミュニケーションがうまく図れるよう心がけています。よく話をするひと、寡黙なひとと、それぞれの個性を尊重しながら“チームワーク”を大切に仕事に“情熱”を傾けてもらえるように」と自分の仕事を見つめています。
安来支店やグループ会社も増えてきて、
これまで以上に人との関わり合いが大切に。
栗田さんを慕うのは、飾磨本社のスタッフだけではありません。200キロ離れた島根県の安来支店のスタッフや、姫路市で展開している地域活性事業のメンバーたちも20名近くになってきました。「直接的な仕事のやりとりはなくとも労務関係の相談や事務手続きは栗田さんにお願いすることも多く、頼りにしています。冠婚葬祭や子育てなど家庭の話は私より通じています。企業間のなにげない情報交換が人事では大切なパイプ役として機能することもあり、栗田の存在はまさにそれにうってつけです。」とグループ企業を纏めるエリカ専務。
栗田さんの日常業務~夏バージョン
6時過ぎに起きて、子どものお弁当と朝食をつくり、7時半には学校へ見送り。それから掃除や洗濯をして9時に出勤します。伝票整理なども栗田さんの仕事です。11時からは安来支店と Skypeミーティングを行います。
そして、収集運搬のスケジュールとスタッフの配置を頭にいれます。車両の出庫前には、ドライバーと運転前の点呼を行います。また、車両・重機のチェックシートを見て、修理や交換箇所が適切に行えているか責任者のひろさんとダブルチェックします。
気温の高い夏場には、屋外やヤードで働くスタッフに水分補給を促して“塩飴”を進めるのも栗田さんの役目。ヤードにはウォーターサーバやおやつBOXがあり、その補充も行います。業務報告書では「優しいコメント」でスタッフを和ませています。
午後4時に退社。買い物をして、5時半には夕食づくりを始める。食後にウォーキングして、子供の宿題チェック、寝かしつけ。就寝前の読書が唯一の自分の時間だそうです。